「病気を治すだけではなく病気にならない体を作り、未病の段階で発見し、早めに予防する」をコンセプトに、東京都品川区高輪に自由診療専門のクリニック「星子クリニック」を開設されている星子尚美先生。
がん、生活習慣病などの難病に苦しむ患者の治療と、予防医療を行っていらっしゃいます。
さらに、Amazonで1位になった「腸のことだけ考える」(ワニブックス)をはじめとした、多くの著書を送り出されていたり、雑誌「美ST」の、「【がんにならないためにするべきこと】10カ条 」に登場されたりなど、多方面で活躍中。
星子先生とアバイブーベとの出会いは、2016年。クリニックでアバイブーベ・ジャパンの全商品を取り扱って頂いているだけにとどまらず、タイ・アバイブーベ病院へ2回にわたり視察にも訪れていただいているんです。
そこで今回は、星子尚美先生とアバイブーベの出会いや、タイ伝統医学について、さらには、今後の医療の未来についてなどを語っていただいた特別インタビューを3回に分けてお届けいたします。
キラキラ輝く笑顔が素敵な星子先生と、アバイブーベの出会いから振り返ったインタビュー第1回目をお楽しみください。
ー星子先生との出会いは2016年、共通の知人を通じてご紹介いただいたのが始まりでしたね。
そうですよね、知人から突然紹介されて(笑)
当日、顔合わせの時になって、タイの伝統医学の中心的存在である財団が、日本に進出されたと伺ったんです。
それまで、中国やインドの伝統医学は勉強していたんですが、アバイブーベさんのこともタイ伝統医学の事も知らなかったんですよね。でも、お話を伺えばうかがうほど、タイの伝統医学に興味が湧いてきて。私は、インドのアーユルベーダや、スリランカ、中国などの伝統医療や、アロマテラピーを色々勉強していたので、アバイブーベさんの話を聞いていくうちに、これはいいものだと感じて。それで、「タイ伝統医学をもっと知りたい!」と、タイのアバイブーベに伺ったんです。
ー東洋における伝統医学は、インドのアーユルベーダが仏教と共に伝来したものですよね。
その源であるインドのアーユルベーダのエレメントは3つ、で、中国は5つなんですよ。ここで面白いのがタイのエレメンツは4つ。こうやって、アーユルベーダは、伝統医学として仏教と共に東洋アジアに伝播していったんだってことが、わかったんですよね。
ータイ伝統医学のなかで、特に興味深い点はありました?
タイの伝統医学は火のエレメントがとても強いんですよね。だから、暑い場所なのに治療法に「火」を治療に使うんですが、それが不思議で。ほかの伝統医学は、比較的「水」や「湿」、むくみなどに注目するでしょ?
でも、タイの伝統医学では「火」に注目することが多いんです。暑いところなのになぜ「火」を重要視するのかしら?と。そこからタイ伝統医学に興味が湧きましたね。
暑いもの=火をもって暑いもの(火)を制すようなイメージがとても面白いじゃないですか。薬にもある「ごく少量の毒で大きな毒を消す」っていう考え方に近いのかな?と思ったんですけど。
―それがきっかけで、タイのアバイブーベの視察が決まったんですよね。
2016年でしたね、タイのアバイブーベ病院に第一回目の視察に伺ったのは。当時はタイのどのあたりのあるのかもわからず、行ってみないとわからない状態でしたね。実際に空港に着いたら空港から2時間半以上、猛スピードの車に揺られるじゃないですか。思わず「まだですか?」って聞いてしまいました(笑)着いたら凄い田舎で「こんなところにあるんだ」って驚きましたが、病院は大きくて立派でしたよ。
ーアバイブーベ病院のあるプラチンブリ県は、バンコクと違って素朴な場所なんですよね。田園地帯が広がっていて。
アバイブーベ財団の敷地内には、病院に併設した高級な感じのスパやカフェ、売店があってね。特に売店では、オーガニックの野菜や、玄米のジャスミンライスが売られていて、これがね、本当に美味しいの!
精製されたジャスミンライスはどこにでも売っているんですが、無農薬で玄米のジャスミンライスは、他ではあまり見かけないんですよね。もう、絶対に買って帰る!重いけれど、ちゃんと日本に持って帰るんだって、決めました(笑)
バンコクに売っているジャスミンライスと、アバイブーベの無農薬で作られたジャスミンライスは、全く味が違うんですよ。日本でも、お米の種類色々あって味も違うじゃないですか。ジャスミンライスも食べ比べてみればわかるんですが、これが本当に美味しいの。
併設のカフェの食事もとても美味しかったですね。病気の方でも味わえるような優しい味でね。本物のオーガニック食材だけで作られている料理を味わえる場所って、実はなかなかないんですよ。
ー星子先生は、タイのアバイブーベ系列のハーブティーカフェがオープンした際にも、現地に視察に来ていただいたんですよね。
そうそう!新しくオーガニックのカフェテリアができたと伺ったので、視察を兼ねて再度伺ったんですよね。ずっと食べ物の話ばかりしちゃうけど(笑)ここがまた美味しくて!古民家みたいなカフェテリアで、素朴でありながらも、他では味わうことのできない、本物のオーガニック食材だけで作られた「本物の美味しい食事」でしたね。
ー新しくできたハーブティーカフェでは、子ども達にハーブの効能などを教える教室を開催したり、川に流しても大丈夫な洗剤などの作り方を教えたりしています。出来上がった洗剤は、ハーブティーカフェで販売しているんです。
タイのアバイブーベでは、ハーブが持つ力の恩恵を受け取れるようなコミュニティ作りを進めているのよね。
―滞在中は、病院のドクターの特別講義や診察なども受けていただきましたよね。
そうなの、病院のドクターにも診察してもらったり、特別講義を受けたり、情報交換をしてきました。実際に問診をしてもらったのですが、面白い診察でしたよ(笑)。脈診と、触診、それからもともと持っている力を確認する問診と合わせて、気になる症状をチェックするんですよね。
その後、処方箋を出してもらい、院内薬局で薬を煎じて出してもらったんですが、少し飲みづらかったかな、そう、漢方みたいな感じ。美味しいものじゃないですね(笑)独特な味なので、苦手な方は、病院の売店で販売されている錠剤の方が飲みやすいかもしれませんね。
病院の売店には、本当にたくさんのハーブ製品が売られていましたよ。アバイブーベのハーブ製品は、タイのコンビニでも販売されているので、浸透しているんだなぁと感じましたね。
ー併設のオーガニック農場にも足を運んでいただきました 。
ええ、オーガニック農場も視察してきました。私が扱うものは、全て産地に足を運んで、どのように作られているかを確認して、これだ!というものだけを患者様に提供しているんですよ。
ー先生がご訪問された後になりますが、国の予算で、オーガニック農場内に研修施設と宿泊を建設して、タイの伝統医療や料理を学べるようになりました。
タイは代替医療に凄く力を入れていますよね。国を挙げてやっているので、すごいなぁ、うらやましいなぁって思いました。本来あるべき医療の姿はこれだって。
日本では、西洋医学から離れた代替医療は異端扱いになってしまうんですよね。国の考え方がこんなにも違うということを痛感しましたね。
アバイブーベ病院のほかにも、タイの大きな国際病院を見学したのですが、そちらにも西洋医学だけでなく伝統医療による治療が当たり前のように行われて。さすがだなぁって。日本との違いを改めて感じました。
これは、日本ではできないことですからね。同じ病院に、西洋医学と代替医療が共存する場所があればいいのだけれどね。西洋医学から離れた治療は異端に取られがちなんですよ。でも、本当なら患者さんが自由に選べるようにしたいんですよね、なかなか実現しないの。色々あって、うまくいかないんですよね。
ータイでは伝統医学と西洋医学の橋渡し的なドクターの養成や、伝統医療認定医制度などで西洋医学と伝統医学の共存を促進しています。
タイのほうが、医療の考え方が進んでいますよね。中国でも、漢方医が医学の中で職位が一番上、最高位として扱われているんですよ。でも、日本の西洋医学では、代替医療やハーブ、漢方などを教えることは、まずないですから。東洋医学や代替医学は、興味を持たない限り勉強する機会がないんですよね。
<第2回へ続く>